(1)クールマイユール~シャンペ(83km~127km)
クールマイユールではコンタミン久保さんが待っていてくれた。
最初、1分くらい見つからなくてかなり焦った笑
去年はクールマイユールで全然食べれなかったが、今年は胃腸も元気だった。
ここからまだまだ上げられそうな勢いだった。
ルクタスエイドで用意してくれたそうめんも食べ、ドロップに入れていた梅がゆもしっかり食べれた。
クールマイユールを出ると、ベルトーネへの登り。
登山口までのロードもしっかり走った。
去年ここから疲労と眠気でかなりグダってしまったが、
今年は大丈夫そうだ。ここの登りは淡々と続くので集中して登る。
86km地点ベルトーネに到着。
スイカとパウンドケーキを食べる。
スイカがかなり美味しかったが食べ過ぎた笑
しかしスイカの水分がやたらと染みたので
もしかしたらこの辺りから水分が足りていなかったのかも?
ここからアルヌーバまではフラットだが、細かいアップダウンがあり
もたつきやすいエリア。気合を入れる。
同じような道の繰り返しが、だんだん混乱してくる笑
少しずつ日の出の気配があり、山並みがうっすらと見えてきた。
長いようで短かった夜もようやく終わる。
ここでようやく写真が入ります笑
フレンチアルプスの夜明け
アルヌーバ101km地点に到着。
去年よりかはかなり走れた。
調子としては悪くなかったが、まだまだいけそうだ。
ここから、グランコルフェレへの登りへギアを上げていく。
グランコルフェレまでの登りはとても長く感じた。
ひたすら淡々と登るが、疲労の色が見え始めてきた。
無事にグランコルフェルを登り、115km地点へのラフーリーの下り
しかしこの下りくらいから、
胃腸の調子がすこぶる悪くなってきた。
なんかおかしいそ。そしてやたらと小便が出る。。
大丈夫。気にするな。
何度も自分にそう言い聞かせた
長いトレイルの下りも終わり、フラットなロードに出て
いよいよ115kmラフーリーエイド直前に差し掛かったところで
ウゥッ!
胃腸の強烈な締め付け、、
明らかに様子がおかしかった。
なんなんだろうかこれは。。
なんとか115km地点ラフーリーに到着。
結果的にはグランコルフェレから1時間と想定通りのタイムだった。
去年はお菓子をここでかなり食べたが、今年は全然食べられず、、
く、、パウンドケーキもダメそうだ、、
暖かいチキンスープを少し飲んで、早々に出発した。
ラフーリーからシャンペは地獄だった。
殆ど走れる区間であるのに全然走ることが出来ず、
次々と後ろのランナーから追い越されここで大分順位を落としてしまった。
しかし走ろうにも力が入らないし、胃腸が痛い。
しかも水を飲んでも胃腸でチャプチャプと音を立てており、水が吸収されていないようだった。
これは脱水だ。間違いない。
瀕死状態でシャンペに到着した。
(2)シャンペ~ゴール(127km~176km)
やっと着いた。。
シャンペでは田代さんが待っていてくれた。
「池畑くーん!!!」この声で意識が少し戻った。
まず麦茶と素麺を食べた。少し食べたら元気が出てきた。
そして持ち込んだ梅がゆ。
この3つを取ることで少しずつ回復することが出来た。
去年はシャンペでまだ全然元気だったのに、今年はなんて有様だ
こんなにへばって情けない。
しかし、まだゴールまで先は長い。
「負けるな!」と強く自分に言い聞かせた。
田代さんと力強く握手して、エイドを出発した。
負けるな!
1つ目の山、ジエテ山への登り口へと向かう。
ジエテ山への登りは一行にペースが上がらない。
去年よりも確実にペースが遅かった。
日差しも突き刺さるように熱い。
ペースは上がらず淡々と登っていく。
山頂まで本当に長かった。。
山頂からの下りは
木の根も多く、中々テクニカルだ。
そして下っていると目の前にカメラマンが!
若岡さんだった!一気に元気になった!
写真を撮ってもらいながら、トリエンまで下っていった。
146km地点のトリエンに到着
エイドでは大北さんが待っていてくれた。
ここでは梅がゆと、柴漬け、が最高だった。。
明日香野の和菓子も食べる事が出来て少しずつ回復。
イチゴもさっぱりしてとても美味しかった!
エイドサポートは本当に力になる。
トリエンからはツェッペスまではかなりの急登。
ここはもう何も考えず淡々と登る。
ツェッペスからの下りもペースが上がらない。
去年はここの下りで足が終わってしまったが、足が終わる感じよりも
力が入らないという感覚が今年は近い。
やはり一度脱水に近い症状になると、そこからまた短時間で復活するのは難しいのかもしれない。
しかしバロルシンまでは距離が短いのでトリエンまでに比べると、そんなに長く感じなかった。
またバロルシンへの下りも救世主、若岡さん登場!笑
写真を沢山取ってもらいながら元気を貰えた。
そして、158kmのバロルシンに無事到着。
ここでは中島さんが待っていてくれた。
まさに女神。笑
本当に感謝。
素麺、梅がゆ、みそ汁、明日香野の和菓子を食べる。やはり日本食は最後までいける。
そしていざ、シャモニーへ出発
よし、これならシャモニーまでなんとか行けそうだ。
あと少し。頑張れ!!!
バロルシンからゴールまでは2回も試走したので安心感があった。
やはりコースを知っているだけで余裕が違う。
試走はやはり出来るだけした方が間違いない。
去年は複雑な木の根っ子に悪戦苦闘してしまったが
今年はそれを知っていたので受け入れられた笑
フレジールまでの長い登りもあそこまで行くと分かれば怖くない。
先を見ないよう、下を向いて一歩一歩登って行った。
そして169kmフレジールゴンドラに到着。
ここから後はシャモニーの街に降りるだけだ。
コースも分かっているし、慎重に下る。
ここで4人ほど抜かされてしまった。しかし追いかけようにも
プッシュが中々きかない。
なんとか下りシャモニーの街が見えてきた。
あともう少しだ。
若干暗くなっていたが、まだ街には人は沢山いた。
多くの人が拍手で迎えてくれた。
この過酷な挑戦に心からリスペクトしてくれているようだった。
沿道からハイタッチを求められ、次々に応えていく。
酒場の前を通ると「オォーッ」と歓声が上がる。
足取りは不思議と軽い。
そしてゴールゲートが見えた。
26時間28分52秒。
総合77位
想定より大きく崩れてしまったけど、無事にシャモニーに帰ってこれて本当に良かった。
やっぱりUTMBのゴールは特別。
これもルクタスアドベンチャーズの方々の素晴らしいサポート、
そして沢山の応援のお陰です。
またニューカーブも多大なる活躍を見せてくれました。
本当にありがとうございました!